八重の桜は実がつかないってほんと?

西東京市都市伝説探検隊▶八重の桜は実がつかないってほんと?】
 「七重八重 花は咲けども山吹の みの一つだに なきぞ悲しき」(太田道灌)とは山吹の話ですが、桜でも同じなんだってしってた? 八重桜は雄しべがないために実を結ぶことが出来ないのだそうだ。だから、野生の桜はみな一重咲きで八重桜はない。八重桜は挿し木や接ぎ木で人間の手で増やしていくしかないんです。実を実らせて世代交替を出来るのは一重の桜だからこそなのです。



 「…実際には、おしべやめしべを少しは作れる八重咲きもある。しかし、これらも自然の中で生きていくのは難しい。花弁を多くするとおしべが少なくなってしまい、花粉を充分に作れずに競争に負けてしまうからだ。そのため、花弁は少ないほどよいのである。
 では、花弁はどこまで減らせるのだろうか。花弁はハナバチなどの虫に対して“密があるよ”というアピールをしている。そのためには花全体の面積が大切なので、外側に一重の花弁を作れば充分。というわけで、自然の中では一重の花だけがいきのこる。」(舘野正樹「八重の桜、一重の桜。「UP」東京大学出版会2014.3」




 綾瀬はるか主演の大河テレビドラマ「八重の桜」のタイトルもそんな八重桜が子孫を残せないということをかけていたのではないだろうか。主演の八重が桜の巨木が好きだったのは、そのタイトルを象徴的に描いたのだろう。