岩の船に乗った世直しお地蔵さん

西東京市都市伝説探検隊▶岩の船に乗った世直しお地蔵さん・岩船地蔵尊
 西東京市保谷町6丁目にオープンしたばかりの駄菓子屋「あおやま」の向い側に、ひっそりと一対の地蔵さまが鎮座している。
 ほかの地蔵様とどこが変わっているのかというと、岩の船に乗っているんです。七福神の宝船の絵はよく見ますが、これは岩の船です。それだけでも摩訶不思議でしょう。そして何より、世直し運動を導いたといわれるのが、今の世相にピッタリで、是非、皆さんにお参りに行っていただき、世の中の不公平を正していただけるようにお願いしてもらいたいのです。


 「船に乗った岩船地蔵尊西東京市保谷静岡県裾野市今里等で確認されています。さらに亨保4年(1719年)の3月〜7月の短期間で村々で地蔵送りが流行したのです。名主も加わわり、二千〜三千人の村人によって地蔵尊を輿に担ぎ、派手に着飾り、幟を立て、三味線や太鼓を鳴らしながら念仏踊りをしながらねり歩き、次の村へ送る。こうした村人総出での地蔵送りは亨保4年(1719年)の3月から10月と短期間だけの動きでの流行で、後には確認されていないのです。何故こうしたことが起こったのか、分からないということしか言えません」(福田アジオ)。
 西東京市文化財には……「江戸時代中期の享保4年(1719年)頃、濁世から浄土へ人々を送り渡すために地蔵菩薩は丈夫な岩の船に乗って現れるという『岩船地蔵』が、関東各地で流行しました。この岩船地蔵も、上保谷村がその影響を受けて建立したと考えられ、当時流行った社会現象を記録する貴重な文化財です。享保4年建立、明治17年(1884)再建です。」とありました。詳しくは現地の看板を見てください。