「種子には光が当ると発芽する光発芽種子がある」(『UP』484号)

種をまくとき普通は小さな穴を掘って土をかぶせますが、土をかぶせない方がいい種があるのだそうだ。そういえば、種をまいても発芽しないことがあったが……。
 「種子には光が当ると発芽する光発芽種子がある」(舘野正樹「植物を見つめる14 植物の眼」『UP』484号)ホウセンカがその例、という。植物の「芽」ではなく「眼」というのに注目! 

近所の図書館で廃棄処分になっていた『UP』通巻484号(東京大学出版会、2013年2月号)。かつては年間購読していたので、せっかくだからいただいて読んでみたら、この「植物の眼」に出合うことが出来た。


 フィトクロムというタンパク質が光の色を識別するらしく、「赤色の光が多ければ発芽し、真っ暗か、あるいは赤色よりも波長の長い光(遠赤色光)が多いと発芽しないようになっている」(前掲)のだそうだ。「植物の上空に葉が生い茂っているとき、植物に届く光は弱く、同時に、赤色光よりも遠赤色光の割合が多くなる。葉は赤色光を吸収するが、遠赤色光は吸収しにくいためだ。」(前掲)という。こうして葉が散り赤色光がさしてくるのをじっと待つのだそうだ。
 植物は魚眼レンズで空にむかって撮影した全天写真のように空を見つめているらしいので、私も寝ころんで空を見つめ植物の気持ちになってみた。