「なでしこ」を表紙絵に取り入れた平福百穂:画『羽仁もと子著

「なでしこ」を検索すると「なでしこジャパン」がでて来る。おかげで忘れられかけていた「やまとなでしこ」などもどっこい思いだしてもらえたようだ。「なでしこ」は花が小さく色も愛すべき所から愛児に模して「撫でし子」としたという。ついでに「やまとなでしこ」は、日本人女性を可憐で繊細だが心は強いナデシコの花に見立てて言う美称だが、死語にさせないためにはしとやかで強い女性がどんどん出てきて欲しい。


 そんな「なでしこ」を表紙絵に取り入れた平福百穂:画、『羽仁もと子著作集第8巻』(婦人之友社昭和2年)。『羽仁もと子著作集』全20巻は、全巻オレンジ色の布地に平福百穂が描いた様々な植物が配されて、優しくたくましい大和撫子の著者を象徴するような好感が持てる味わい深い装丁に仕上がっている。