エンドウ豆を表紙絵に取り入れた川端龍子:画『無限の道』

グリーンピースもサヤエンドウもスナップ豌豆も、エンドウ豆(豌豆豆)で、成熟する過程で採取する時期の違いだけでみんな同じかと思っていたが、それぞれ別の種類だったんですね。「宛」は曲がった輪という意味で、美しい眉は細く曲がっていることから、美しい容姿という意味もある。つまりエンドウ豆とは美しく曲がった豆ということか。


 エンドウ豆を表紙絵に取り入れた川端龍子:画、橋田東聲『無限の道』(無限の道発行所、昭和8年)だが、枝の曲線美に魅せられたのか主役となるべき肝心の豆が描かれていない。タイトルの「無限」とエンドウ豆の蔓が「ジャックと豆の木」のように雲の上まで伸びるイメージを関連付けようとしたのだろうか? 最近は豆苗(とうみょう)といって、かいわれ大根の大型のようなエンドウ豆の若い茎葉を利用する高級な中国野菜があるらしいが、だからといって、なぜ豆のないエンドウ豆を描いたのかはわからない。