「春」「仙(川)」のほか「奈」は名取の「な」だろうか、落款がまだ決まっていないようで、試作でもしているかのように、次々に代えているのを見ることが出来るのが面白い。
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」1-1
1-1の左下に署名されている春仙の落款
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」1-4(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)
名取春仙落款、夏目漱石「三四郎」1-4(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)、この落款は何の文字を図案化したのか解らない? もしかして春仙の「仙」をもじって「川」? 「故師久保田米仙(僊)に名付けられた雅号を憚って最初は同音の川とサインした」(書物展望、昭和10年)と、春仙自身が書いている。
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」1-4(『漱石新聞小説復刻全集 三四郎』ゆまに書房、平成11年)、上記2点は本来同じはずの挿絵だが、『デモ画集』に掲載された挿絵と縦横比や右上の角、落款など微妙に異なる
落款は『漱石新聞小説復刻全集 三四郎』の「三四郎」1-4から複写したものだが、なぜか『デモ画集』落款と『漱石新聞小説復刻全集 三四郎』の落款は全く違うものだ。
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」1-7(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」2-1(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」2-2(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)
名取春仙落款、夏目漱石「三四郎」2-2
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」2-4(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)
名取春仙:画、夏目漱石「三四郎」2-6(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)