名取春仙『デモ画集』(如山堂書店、明治43年)に掲載されている夏目漱石「三四郎」の装画・挿画をスキャンした。明治41年9月1日〜12月29日まで117回、新聞発表時には110点あったが、春仙が選んだ26点だけが掲載されている。何とか全点復元しようと思っているが、昨日掲載したように新聞復刻版では、大半の挿絵がノドで分割されている。ノドの部分はスキャンもしずらく、復刻版からの収集はあきらめざるを得ない。ここでは、『デモ画集』に掲載された「三四郎」の挿絵全26点を3回にわけて転載することにした。不足の部分は『名


「春」「仙(川)」のほか「奈」は名取の「な」だろうか、落款がまだ決まっていないようで、試作でもしているかのように、次々に代えているのを見ることが出来るのが面白い。



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」1-1

1-1の左下に署名されている春仙の落款



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」1-2



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」1-3



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」1-4(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年

名取春仙落款、夏目漱石三四郎」1-4(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年)、この落款は何の文字を図案化したのか解らない? もしかして春仙の「仙」をもじって「川」? 「故師久保田米仙(僊)に名付けられた雅号を憚って最初は同音の川とサインした」(書物展望、昭和10年)と、春仙自身が書いている。



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」1-4(『漱石新聞小説復刻全集 三四郎ゆまに書房、平成11年)、上記2点は本来同じはずの挿絵だが、『デモ画集』に掲載された挿絵と縦横比や右上の角、落款など微妙に異なる

落款は『漱石新聞小説復刻全集 三四郎』の「三四郎」1-4から複写したものだが、なぜか『デモ画集』落款と『漱石新聞小説復刻全集 三四郎』の落款は全く違うものだ。



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」1-7(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」2-1(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」2-2(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年

名取春仙落款、夏目漱石三四郎」2-2



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」2-4(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」2-5



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」2-6(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」3-2(名取春仙『デモ画集』如山堂書店、明治43年