三四郎の挿絵に関して紅野敏郎は「文中の主要な絵と、それに関連する作者の文とがうまく配置されていて、小説全体と挿絵の、ただならぬ関係深さにあらためて驚かされる。……『三四郎』の、〈所へ広田先生がフロックコートで天長節の式から代えって着た〉(4-14)という文に呼応して、髭のある広田先生の、すらりとした姿と、天長節の国旗、菊の花等を配し、〈広田先生〉とのみ書き込んでいるところや、三四郎と美禰子の、〈『安心して夢を見てゐる様な空模様だ』『動く様で、なかなか動きませんね』と美禰子は又遠くの雲を眺め出した〉(5-8

と評している。



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」4-14(東京朝日新聞明治41年10月13日)



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」5-8(東京朝日新聞明治41年10月24日)



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」6-1(東京朝日新聞明治41年10月24日)



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」6-5(東京朝日新聞明治41年10月24日)



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」6-6(東京朝日新聞明治41年10月24日)



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」6-7(東京朝日新聞明治41年10月24日)



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」6-9(東京朝日新聞明治41年10月24日)



名取春仙:画、夏目漱石三四郎」7-2(東京朝日新聞明治41年10月24日)