挿絵画家・伊勢田邦彦(大正10〈1921〉年1月24日〜平成21〈2009〉年9月15日)の戦後最初の仕事と思われる20点の大きな挿絵が挿入されている江戸川乱歩『怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』(光文社、昭和22年11月)。26歳の仕事である。戦前は紙芝居を描いていたとはいうものの戦時中のブランクを考えると挿絵の仕事では新人といってもよく、いきなりの大仕事が舞い込んだ。


前半の挿絵は本文を説明するだけで、挿絵としての魅力には欠けるが、後半に近づく従って登場人物の表情が豊かになり、画面の構成にも動きが出て迫力が増しているのが分かり、この一冊を見るだけでも伊勢田が1点ごとに魅力的な挿絵について追求し続けていることを読みとることが出来る。挿絵だけでも読者を惹きつけることが出来る挿絵に手応えをすでにこの仕事で感じているかのようでもある。



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)



伊勢田邦彦:画、江戸川乱歩怪人二十面相』(『江戸川乱歩全集1』光文社、昭和22年11月)