伊勢田邦彦:画、横溝正史『大宝窟』(講談社、昭和51年)は「少年クラブ」(昭和28年1月号〜12月号)に連載されたものを文庫本にまとめたもので、21点の挿絵が再録されている。伊勢田が32歳のときの仕事である。『怪人二十面相』から6年が経過し、確かなデッサン力から生まれる顔の表情などは大きな進歩を成し遂げ、不安や恐怖感、緊張感など単なる描写だけでは表現出来ない空気や雰囲気までを見事に描き出している。やがて到来する第二次挿絵黄金時代に歩調を合わせるかのように、伊勢田の才能は着実に開花し始めている。



伊勢田邦彦:画、横溝正史『大宝窟』(講談社、昭和51年)



伊勢田邦彦:画、横溝正史『大宝窟』(講談社、昭和51年)



伊勢田邦彦:画、横溝正史『大宝窟』(講談社、昭和51年)



伊勢田邦彦:画、横溝正史『大宝窟』(講談社、昭和51年)



伊勢田邦彦:画、横溝正史『大宝窟』(講談社、昭和51年)




伊勢田邦彦:画、横溝正史『大宝窟』(講談社、昭和51年)