杉浦非水装丁、菊判・紙装並製本、6号総ルビつき三段組、平均500 頁、予約定価一円(上製本は、天金、総クロース金文字、1円40銭)。改造社社主・山本実彦は「我社は出版界の大革命を断行し、特権階級の芸術を全民衆の前に解放」すると宣言し、35万余という空前の予約を獲得した。当初は賭博行為と冷ややかな批判ばかりだったが、この勇気ある決断による大成功を目の当たりにした多くの出版社が、次々と改造社の後を追うように全集を刊行することになり、出版界の不況を打開する先駆けとなった。



杉浦非水装丁、『現代日本文学全集』(改造社、大正15年)函入布クロース上製本特装版と、カバー付き並製本普及版