日本最初の水彩画はワーグマン「浪士乱入図」38.5×54.5(1861〈文久1〉年)というのが、定説となっているようだ。



ワーグマン「浪士乱入図」38.5×54.5(1861〈文久1〉年)


水彩画がいつから描かれるようになったのかということを調べる前に、水彩画とは何かについて定義しなければならない。


匠秀夫編「近代の美術58 日本の水彩画」(至文堂、昭和55年)によると「水彩画をwater colour drowing ないしwater colour paintingの訳語と考えると、それはゴムあるいはアラビアゴムを下地にした顔料を用いて、ワットマンのような洋紙に、透明画法で描いた、もともとイギリスで発達した絵画技法ということになり、単なる洋風スタイルをこえて、メティエやマティエールの点からも水彩画とよぶにふさわしいものがもたらされたということになると、幕末期のチャールズ・ワーグマンの来日をもって、その歴史を始めるべきであるということになろう。」とある。