先日の早稲田大学での講演には間に合わなかったが、横光利一は創元社版「機械』の表紙で、こんな文字を書いてもらいたかったのではないだろうか、という題字を作ってみた。





横光は、機械の部品を組み立てるように、文字のエレメントを機械の部品のようにして組立て完成させる文字を作りたかったのではないだろうか? そんな文字を作ろうとしたが、装丁担当の画家・佐野にはそれだけの創作技術がなかったので、再版で文字を書き換えてもらったが、まだまだ完成の域には達していなかったのではないか、というのが私の推察だ。


そこで、今回は、私が休日を利用して朝からその期待に応えるべく、「規格化された」題字をつくってみました。最近ではパソコンがあるので、簡単に創作文字が出来てしまう。レトロっぽい文字と、ゴチック体の少し遊び心がある文字を作ってみました。右側には文字を校正しているパーツが並んでいます。木偏を一つのパートとすると5〜6個の基本形パーツを用意すれば、これらの文字は出来てしまいます。


折角の休日に、朝からこんな物を作っているとは、オタクですよね。


来年はもう少し、ブックデザイナーでなければ出来ない突っ込んだ講演をやろうと今から準備に取り掛かっています。本日の掲載文字もそんな資料にしようと思っています。