野島氏については、『謎とき日本近現代史』(現代新書、1998年、定価(税込):735円)で知っていたので、お会いできるのが嬉しかった。3時間近い打ち合わせも楽しい一時だった。おおらかで明るい感じの野島氏が、学生にもてるのもうなずける。
野島博之『謎とき日本近現代史』(現代新書、1998年)
日本史は史実を学ぶのだから永久不変の真実のみを学んだのだと思っていたら、これがなんと、私が学んだ4〜50年前の歴史と、今学ぶ歴史とではまるで違っている。
そんな最新の歴史の話を書いているのが、某出版社の編集者でありながら、会社の仕事とは別にペンネームで執筆活動をしている英傑・恵美嘉樹さん。彼からは「古代史はまだまだ謎の満ちている」というキャッチフレーズの『図説最新日本古代史』(定価1575円、学研)を贈られた。恵美さん(男性です)は神社巡りに関する初の著書『全国「一の宮」徹底ガイド』(定価760円、2007年10月)もPHP研究所より昨年発行している。
恵美嘉樹『図説最新日本古代史』(学研、2008年)
恵美嘉樹『全国「一の宮」徹底ガイド』(PHP研究所、2007年、定価760円)
「考古学、歴史研究の最新成果を踏まえ、写真・図版満載で古代史の謎を解く」(帯より)といっているように、歴史の真実は刻々変化しているようだ。
恵美嘉樹『図説最新日本古代史』本文より
恵美嘉樹『図説最新日本古代史』本文より
私が教科書で習った、弥生時代の始まりは紀元前5世紀というのは、今では紀元前10世紀というのが定説になりそうだという。弥生人は中国での戦乱を逃れて海を渡ってきた難民だったらしい、などなど、それぞれの項目を2〜4頁で歴史のエッセンスを簡潔に教えてくれる。私のような日本史に弱い人間にもやさしく、本文中には沢山のさし絵や密度のあるな説明図が入っていおり、編集への徹底したこだわりがより理解を深めさせてくれる。
恵美氏は今、本業の方でも古代史の編集をやっており、何ともうらやましいほどに恵まれた環境で仕事をしているようにみえる。