教授によると「武田製薬の社内月報の表紙を飾った絵をまとめたもの」だそうだ。画面の右下に「R.Koiso」の落款を確認することが出来る。
小磯 良平・画、刈米 達夫・解説「薬用植物図譜」(日本臨床社、1985年)
小磯 良平・画、刈米 達夫・解説「薬用植物図譜」(日本臨床社、1985年)
小磯 良平・画、刈米 達夫・解説「薬用植物図譜」(日本臨床社、1985年)
さすが東京芸術大学の教授だった小磯の絵だけあって、説明のための絵という図鑑の目的を超えて、充分に鑑賞にも耐えうる美術書となっているのがすごいですね。この絵を見る限り、日本の最高峰の図鑑の絵といってもいいかも知れませんね。
たしか、円山応挙も『昆虫写生帖』や『花弁草本禽獣写生帖』を残しており、画家が描いた図鑑?といえるのではないでしょうか。渡辺崋山『翎毛虫魚写生画冊』も美術作品に近いと思われる見事な図鑑を残している。
渡辺崋山『翎毛虫魚写生画冊』
小磯 良平(こいそ りょうへい、1903年7月25日-1988年12月16日)は兵庫県神戸市生まれ。昭和期に活躍した日本を代表する洋画家で、ルーブル美術館のヴェロネーゼ「カナの婚礼」に衝撃を受け、群像表現を極めることを生涯のテーマとし、群像を多く手がけたことで知られる。代表作に『裸婦』『斉唱』『働く人々』などがある。