挿絵:伊藤彦造、吉川英治『天兵童子』と、挿絵:山口将吉郎『ひよどり草子』が一冊の本『吉川英治全集51 天兵童子』(講談社、昭和58年)に入っているので購入した。が、ちょとケチって、挿絵は6点しか入っていなかった。


『天兵童子』は昭和12年9月〜15年4月まで「少年倶楽部」に連載された。天兵は、南木菩提次からいわれるままに愚直に大地に蒔かれた麻を毎日毎日飛びつづけ、百二十日間飛びつづけると、山でも川でも飛ぶことができた。という話を真に受けて、私も小学校の頃、麻の種を畠にまいて、成長する麻の葉に触れないように飛び続けた。40センチくらいになると天兵のようにうまくは行かなくなり、10歳にして挫折という貴重な体験をする。


天兵は「芽生えのうちからまいにち修練していたので、二メートルになっても飛べた。三メートルになっても飛ぶことができた。……麻にむかう心を持つと、空間でも、山でも川でも、屋根の上へでもとぶことができた。」



挿絵:伊藤彦造吉川英治「天兵童子」(『少年倶楽部名作選』講談社、昭和58年)
つばぜり合いは、もう少し手元の、鍔と鍔がぶつかるようなところで、押し合いをするのだと思いますが。刃と刃がぶつかるのも、刃がこぼれてしまいそうな気がします。


挿絵:伊藤彦造吉川英治「天兵童子」(『吉川英治全集51』講談社、昭和58年)