さし絵が好きな人にはお薦めのこの一冊


1冊の本にたくさんのさし絵が入っている本は、ただ眺めているだけでも楽しい。まして、それらのさし絵画家がみんな大好きなメンバーだったらこの上なく嬉しい。そんな調子のいい本はそうざらにあるわけではない。『現代大衆文学全集』全60巻(平凡社、昭和3〜5年)は、どの巻にもびっしりと見事な挿繪が詰まっていてお薦めだ。古書市だと200〜500円で購入出来るのも嬉しい。


中でも、第7巻「小酒井不木集」は竹中英太郎山名文夫が、コラージュ風のモダンな挿繪をたくさん描いている。他に岩田専太郎など総勢6名の挿繪が詰まっている。挿繪全集は高価だが、この本のような挿繪が一杯の本を集めると格安で挿絵集などには負けない資料集ができる。