多忙につきご無沙汰いたしました

本業の方がちょっと忙しかったことや、自宅の方もインテリア改装をしていて、引っ越しのような慌ただしさでした。そのうえ「図書設計」の編集、「本の手帳」4号の編集が始ったことで、自由時間が全くなくなっていました。この2週間ほどでオブジェも10個つくりました。隔週の雑誌の表紙に1年間使われることになりました。


言い訳は程々にして、先週は久しぶりに古書市に出かけて、たっぷり購入しました。その中から、佐野繁次郎が装丁した雑誌2冊を紹介します。

・「作品」第1巻第4号(作品社、昭和5年8月)
・「女性」第2巻第10号(新生社、昭和22年11月)




「作品」に関しては、拙書『装丁探索』で紹介したときに、今日出海の文章を引用して
「この冊子の表紙絵に創刊号からクロッキー風のヌードを描き続けた。しかし、それでも誰も飽きたというものはなく、そのうえ一種垢抜けてハイカラだったから、当時われわれはむしろ佐野の表紙絵を歓迎していた」
と書いたら、林哲男さんから「作品の表紙はヌードだけではない」との、ご指摘をいただいたという苦い思い出がある。よく確認せず、架蔵書がたまたまヌードだったので、鵜呑みにしてしまったのがいけなかった。


この「作品」は、まさにその時の林さんの指摘を裏付ける装画である。

「女性」の腕、ちょっとおかしくない? ひじが二つあるように見えますが? 時間の経過を描いているのかな。