高橋忠弥『高橋忠弥詩画集 巴里憂愁』は妻に捧げる鎮魂歌

■高橋忠弥の装丁書誌リスト7


・滝春一『句集 燭』(大雅洞、1965[昭和40]年)
宮沢賢治風の又三郎』少年少女日本の文学21(あかね書房、1967[昭和42年2月15日])


忠弥は1965[昭和40]年にフランスへ渡り1976[昭和51]年爾帰国する。滞欧中にも装丁をやっていたとの話だが、『風の又三郎』もパリで描いたらしく『本の装い』には「39年から51年までフランスに移住したが、在仏中も児童文学全集(*注:『世界少年少女文学全集』11巻フランス編1(創元社、1954年)、『世界少年少女文全集』14巻ドイツ編1(創元社、1954年)、『少年少女日本の文学』21巻などをさしているのか?)の宮沢賢治の巻に絵を描き文章を寄せたりしている」とある。『風の又三郎』に忠弥の文章はなく、『世界少年少女文全集』との勘違いか? でも『世界少年少女文全集』は渡仏する前の作品だ。


風の又三郎』にはカラー挿し絵が3点入っており、カットも40数点描いている。目次にも飾り罫を描くなど隅から隅まで忠弥の思いのこもった造本になっている。少年少女日本の文学の他の巻も見てみたいがなかなか見つからない。