造本探検隊116(もう1冊『小学童話読本』入手) 編集

●もう一冊『小学童話読本』第五学年上巻(興文社、大正15年3月5版)を入手。
表紙の左上に新聞の切り抜き挿絵が貼込んであったせいか、格安で手に入れることが出来た。しかし、水をつけて少し時間を置き、丁寧にはがしたら、きれいに剥がれた。

この本は定価1円なので、円本全集としてこのまま発売することが出来そうだが、『小学生全集』は1円ではなく35銭で発売された。3冊でほぼ1円だ。逆に言えば1/3の価格になってしまったのだ。ライバルの『児童文学全集』(アルス、昭和2年〜)は、2冊セットの箱に入れて1円で発売したことへの対抗措置だったのだろう。

円本全集が大量に売れた要因は沢山あるが、このように価格が大幅に安くなったことが重要な要因だったことは間違いない。