野上彌生子『眞知子』(文藝春秋新社、昭和22年9月初版)のい装本がいっぱい

shinju-oonuki2006-04-19

恩地孝四郎の業』(三省堂)に記載されている野上彌生子『眞知子』(文藝春秋新社、昭和22年9月初版)をみて、インターネットで購入したのが写真左の波のような模様の装丁だ。しかし、この装丁は『恩地孝四郎の業』で見たかぎりでは、小さな葉をたくさんあしらったデザインだったはず。同じ発行日なのに、どうしたことだろう。まさか、同時に二つの装丁で発行するなんて事は、考えられないのだが。
 
書誌データーの間違いかな? そう思って、確認のために昭和24年5月第三版を購入したのだが、届いたのは写真右の真っ白な装丁だ。これまた装丁が違ってしまった。最初に購入したいと思った葉をあしらった装丁の本とは、遂に出会えなかった。
 
この装丁の本が届いたら書こうと思っていた文案まで考えていたのに。しかし、結果としては、異装本だらけという話の方が面白かったようだ。戦後間もなくのことだから初版に入っていたイラストが再版では消えてタイトルと著者名だけになってしまった、というようなことはよくあることである。しかし、奥付の日付まで同じの異装本は珍しいのではないだろうか。おまけに確認した4冊全部が異なる装丁だなんて私は初めてであった。