大貫伸樹の造本探検隊47(柳瀬正夢装丁「骸骨の舞跳」

shinju-oonuki2005-10-26

柳瀬正夢装丁、秋田雨雀『骸骨の舞跳』(叢文閣、大正14年2月)は、柳瀬の装丁の中では最も気に入っている作品だ。前衛美術運動の影響やグロッスの影響なども感じとることもできる。何よりも外の作品には見られないユーモアがある。
 
『骸」の文字が隠れんぼをしてていたり、「著」の文字が横向きになっていたりするのは、この本が発行されていた頃に刊行されていた機関誌『マヴォ』(1924−25)などに用いられた表現との共通点が見られるのも興味深い。