常に通過点であり完成した表現様式を持たない

 
黄色で印刷されているイラストがたくさんの風刺画をコラージュしてあるのに、その絵の上に更に濃いグレーでこの老いた天使のような絵やビル群を重ね刷りしているので、画面は更に複雑さを増している。この多重層の表現も柳瀬の実験的な作品で通過点であったのだったのだろう。完成形を持たないことがアバンギャルドであったのかもしれない。