オシロイバナとは中南米が原産の多年草です。日本では一年草として扱われ、丈夫で繁殖力が強いことから、広く野生化しています。中国へ16世紀末頃に渡った後、日本には江戸時代始めごろに渡来しました。種から採れる白い粉(胚乳)が、おしろいの代用に使われていたことから、オシロイバナという和名がつきました。
花径2~3cmほどの花の形はロウト状で筒が長く、花色は赤紫~ピンク、黄、白で、絞り咲き種も出回ります。
夕方から開き爽やかな香りもします。朝には閉じるので、昼間だけ花を見ているとずっと閉じたままにみえます。このため和名としてはユウゲショウ(夕化粧)とも呼ばれています。また、学名のMirabilisはラテン語で不思議なという意味があり、1本の枝から違う花色が咲くことから付けられたそうです。
古くから子どもが種の中の白い粉を鼻筋などに塗っておしろいとして遊んできたことが知られていますが、それ以外にも、花の汁を爪にこすりつけてマニキュアのように染めたり、花の付け根の緑色の部分を開いてめしべをひっぱり出し、花のパラシュートを作ったりして遊びました。
明るい昼間には咲かず、夕暮れを待って咲く様子から、「内気」という花言葉が付きました。また、オシロイバナは、一日花で次々と新しい花を咲かせたり、同じ株から違う色の花を咲かせることから、「恋を疑う」という花言葉が付けられたと言われています。