【西東京の植物絵手紙(56)…西東京市泉町でハスの花に出会った!】

西東京の植物絵手紙(56)…西東京市泉町でハスの花に出会った!】
「蓮(ハス)の花は咲くときにポンっという音がする」という話を聞いたことはありませんか。花が開くときに音がするなんて、ロマンがあって素敵な話ですが、本当かな?
 啄木の詩にも「静けき朝音たてて白き蓮花のさくきぬ」、正岡子規の句にも「朝風にぱくりぱくりと蓮開く」などと詠われ、それらの印象から、ハスの花が音を立てて咲くと信じている人が今でもあるようです。が、残念ながら開花時には音を立てません。このことは、ハスの研究で有名な植物学者・大賀一郎氏が著した「ハスと共に六十年」(1965年、アポロン社刊)に、「東京・上野の不忍池では1935年から毎年のように観蓮会が開かれました。参加者全員が耳を澄ましましたが、音は聞こえず、『報道陣に対してハスの開花の無音無声の衆議を発表したところが、誠に、実に、天下の大問題となり、国の内外が喧々囂々(けんけんごうごう)、投書が東西各新聞の社会欄をにぎわした』」とあります。
  それでも、水面にポッカリと浮かぶハスを見ていると、いかにも花びらが音を立てて開いたように思えてきます。これが、ハスの持つ神秘性なのでしょう。
 
・絵手紙=「花が美しく見えるのは、心の窓がきれいだからです」(ハスの花)

西東京市住吉町1丁目 で2023.7.13に撮影したハスの花。

 
西東京市泉町2丁目で2023.7.13に撮影。

 
 
西東京市泉町2丁目丁目で2023.7.13に撮影。

 
日本の童謡でありわらべ歌で「♪ひらいた ひらいたなんの花が ひらいたれんげの花が ひらいたひらいたと 思ったらいつのまにか つぼんだ」と歌われる、良く知られた歌ですが、実はこの「れんげの花」とは、「レンゲソウ」ではなく、インド原産の水生植物「ハス(蓮)」のことで、仏教伝来により「蓮華 (れんげ)」と呼ばれています。蓮は6月下旬ころから~8月にかけて、白やピンク、黄色の花を咲かせます。早朝に咲いて、昼には花を閉じてしまう生態は、童謡「ひらいた ひらいた」の歌詞によく表れていますね。
 
 
ハスは花の中心部にできる花托(かたく)が特徴的で、その形状が蜂の巣に似ていることから、「はち巣」とよばれるようになったという説があります。「はす」はその転訛。漢字の「蓮」は漢名からで、種子が連なってつくことからといわれています。写真は東大農場にて撮影。