ロングセラーって、何年売れ続ければそうよばれるのか?

【ロングセラーって、何年売れ続ければそうよばれるのか?】

「ロングセラーとは、長い期間にわたって持続的に多数売れ続ける書籍をいう。聖書はその代表的な例である。同一の著作が何度も版を重ねたり、単行本から文庫本などに版をかえて刊行されることがある。日本では、夏目漱石(そうせき)や森鴎外(おうがい)の作品、あるいは刊行以来版を重ねている『新明解国語辞典』『広辞苑(こうじえん)』などがこれらに該当する。」[川井良介]
 とあるように、ロングセラーというのは、はっきりした定義はなく、それぞれの出版社の自己申告のようだ。10年以上とか、50年以上とか数字ではっきり示してもらいたいと思ったが、そうもいかない事情があるのだろう。辞書などのように一部改訂すれば内容があまり大きく変わらないものはロングセラーになりやすい。一方、文芸書や話題性のある有名人の著書などはベストセラーにはなりやすいが、ロングセラーにはなりにくい。実用書は、ベストセラーとかロングセラーなどの肩書きがついてしまうと、すぐに柳の下のドジョウを狙った類書が出てしまうので、出版社としてはそっとしておいて欲しいという。つまり、ジャンルによってロングセラーの意味が違うということだ。

 今回、改訂版のデザインを担当させていただいた若山芳三郎『学生のためのExcel BVA第2版』(東京電機大学出版局、2016年)は2003年に初版が刊行されているので、もう13年も売れ続けている。これはもうロングセラーと呼んでもいいのではないか?
 山芳三郎『学生のための情報リテラシーoffice2016』(東京電機大学出版局、2016年)は2005年に「officeXP版」のデザインを担当させていただき、刊行されて以来、今日まで11年間も売れ続けている。漱石本や広辞苑には及ばないとしても、一部改定をしながらとはいえこちらもそろそろロングセラーと呼んでも良いのではないだろうかと思う。