2010-10-01から1日間の記事一覧

4月に実践女子学園生涯学習センターで90分3回講演をした「美しい本の話─装丁、さし絵、製本─」が、また11月の毎水曜日、10日、17日、24日(いずれも 15:00~16:00)に開催されることになった。講演内容は前回とは違う内容でお願いします、といわれ、

・装丁のパイオニア杉浦非水とアール・ヌーボー ・洋画家たちが美しいさし絵を運んできた ・安さだけではない美しさも備えた円本全集 の3つのテーマで講演することになった。毎回たくさんの本と映像を使って、マニアックで楽しい講演にしたいと思っておりま…

1912〈明治45〉年、日比谷図書館において杉浦非水の装幀本による「書籍装幀雑誌表紙図案展覧会」が開催された。個人の作家による装丁展は、おそらくわが国では最初のものとおもわれる。「当時装幀の仕事は、画家の副業というイメージでとらえられ、一段低く見られがちであった。制作への真摯な取り組みやこのような展覧会の開催によって、非水は図案の仕事をファインアートと比肩しうる新たな芸術の一ジャンルとして確立しようとしたのだ。」(「“図案”への目覚め」『杉浦非水の目と手』宇都宮美術館2009年)装幀にかける意気込みのほど

展示の下の部分には、一点ごとに額装した印刷物が見られるが、この辺にも非水の印刷複製物を油絵などの1品制作の芸術品と同じように扱うというような意図が感じられる。 写真1 写真2 「書籍装幀雑誌表紙図案展覧会」於:日比谷図書館階下、1912〈明治45〉年…