よみがえれ、武蔵野台地海抜50-60mの湧水池!

西東京市都市伝説探検隊☞よみがえれ、武蔵野台地海抜50-60mの湧水池!】
 西東京市には湧水池がない、清流もない。降った雨は一体どこに消えて行くのか? てなことを考えながら、湧水池を散歩してきた。
 私たちの住んでいる西東京市は、西端の青梅で標高180m、東方の吉祥寺で約50m,台地の東縁部で20-40m、北東方の川越で20mと徐々に低くなりながら沖積低地に臨み、青梅付近を頂点とする隆起扇状地状の武蔵野台地の中央部に位置している。
 この扇状地武蔵野台地の基盤となって、その上に関東ローム層が5〜15mの厚みをもって堆積している。
 武蔵野台地に降り注いだ雨は、関東ローム層に蓄えられ地下水となって地下を流れ、扇端部である武蔵野台地東部に至ると、やがて泉となって地表部に顔を出す。



 東京23区と多摩地区との境界線とも言える50m〜60mに沿って西側に南北に並ぶ石神井公園三宝寺池武蔵関公園・冨士見池、妙正寺池、善福寺公園善福寺池井の頭公園井の頭池、砧公園の池のそれぞれの湧水は、このようにして地下水が地表部に現れて湧き出しているところである。石神井川神田川渋谷川、目黒川などに流れ込む源流はいずれも武蔵野台地の湧水なのだ。

井の頭公園お茶の水湧水源。地下水を汲み上げている。



善福寺公園湧水源、一見天然の湧水地のようだが、地下水を汲み上げている。



妙少寺公園、池の中にわき出るようになっている。



武蔵関公園、冨士見池の湧水源は汲み上げた地下水も出ていない。

武蔵関公園、汲み上げた地下水を放水しているところ



石神井公園三宝寺池湧水源。他にも池の中に地下水を汲み上げて放水している箇所がある。


 今日では、都市化により排水溝が整備されるなど雨水が地下に浸透しなくなり、これらの湧水源はほとんど涸れてしまった。地下水を汲み上げて池を維持しているが、以前は、西東京市に降り注いだ雨は、主に荒川水系の新川(白子川)、立野川、落合川の他、石神井川に注ぎ込む三宝寺池、冨士見池に流れ込み、やがて、神田川などとともに隅田川に流れ込んで行った。この川の流れは。2万8000年も前からつい最近まで脈々と続いていたのである。