高橋忠弥:画『加納大尉夫人』装画は夫人がおしろい花で化粧

幼いころに、種を潰して出て来た白い粉を鼻の頭に塗って遊んだオシロイバナ。皮が固くなる前のタネを採り、指でつぶすと出てくる中身(胚乳)が、真っ白な粉状でおしろいようなのでオシロイバナの名前がある。名づけ親は江戸時代の博物学者・貝原益軒
花は夕方開き、芳香があるので和名としてはユウゲショウ(夕化粧)とも呼ばれる。英語では、1本の草に赤、白、黄など色々の色の花が咲くことから「marvel of Peru(ペルーの驚異)」といわれる。




高橋忠弥:画、佐藤愛子『加納大尉夫人』(光風社書房、昭和44年)。
装画にはさまざまな花がモチーフとして使われているが、その多くが写生風な絵とは限らないので、何の花なのか判断が難しいことが多い。この忠弥の描いた花も見方によってはパンジーにも見えるが、私は加納大尉夫人がオシロイバナで化粧をしているかのように見えた。