津田清風:画、夏目漱石『道草』袖珍本の絵はボタンなのか芍薬なのか

「牡丹餅」(ぼたもち)と「おはぎ」は同じものだが、牡丹の咲く彼岸(春の彼岸)に食するのをぼたもち、萩の咲く秋の彼岸に食するのをおはぎとよぶ。では牡丹と芍薬(しゃくやく)はどうやって違いを見分けるのか? どちらも同科同属で美人に例えられるし……?

 
 津田清風:画、夏目漱石『道草』(岩波書店大正3年)袖珍本にもボタンなのか芍薬なのか、はたまた別の花なのか判断に困る植物が描かれている。ヤマゴボウの実のような粒々は花と関連があるのか? いや、絵が悪いというのではなく私の勉強不足のせいです。

津田清風:画、夏目漱石『道草』(岩波書店大正3年)袖珍本


……たしか、ぼたんの葉にはツヤがなく頂小葉に切れ込みがある。一方芍薬の葉はツヤツヤして小葉はそれぞれが独立しているように見え頂小葉に切り込みがない。この絵は小葉が独立しているようには見えないので牡丹にちがいない!? 下記の写真も牡丹。