ドレの絵で読むドン・キホーテ』に共感!

ドン・キホーテを読むならまずは銅版画の巨匠・ギュスターヴ・ドレの挿絵を眺めながら、ということで『ドレの絵で読むドン・キホーテ』(新人物往来社、2011年)を購入。ドレの見事な挿絵250点も収録されている。



「風車に突撃し、吹き飛ばされたドン・キホーテ」(『ギュスターヴ・ドレによる挿絵』)


ドレはエドガー・アラン・ポー『大鴉』の挿絵も描いている。

ギュスターヴ・ドレ:画、エドガー・アラン・ポー『大鴉』


実はドン・キホーテのオブジェを創ろうと思い挿絵を参照にしようとしたのだが、改めて読むと、旧態依然としたスペインへの批判や、風車に突進するシーンは、スペインを象徴するドン・キホーテがオランダを象徴する風車に負けるという、オランダ独立の将来を暗示するメタファーといわれているなど、奥が深い。何よりも50歳に手が届こうという男が、失敗と嘲笑を浴びながらも妄想の旅を続ける姿に共感し、エネルギーをもらった。