擬人化した卵として表現される前のハンプティ・ダンプティ

夏目康子『マザーグースと絵本の世界』(岩崎美術社、1999年)を購入。


「第5章 一度こわれたらもとに戻れない」にはハンプティ・ダンプティが卵として表現される前の、人間のハンプティ・ダンクティが記されていた。

ケイト・グリーナウェイマザーグース』(1881年



卵にうっすらと人間が描かれているチャールズ・ベネット『ばあやが聞かせるわらべうた』(1858年)



人間として描かれている『マザーグースの童話』(1891年)。



「1843年にアリキスというペンネームで、マベリー牧師がハンプティ・ダンプティのパノラマ絵本を出版した。この絵本は、彩色の銅版画の巻き紙を折り畳んだもので、時間的順序に従ってハンプティが落ちるさまが描かれている。この本では王のお気に入りだったハンプティが、酒を飲み過ぎて塀から落ちたとしている。ハンプティは頭部と胴体が一体になった卵形に手足がついた姿として描かれている。その後、ハンプティの姿は、この卵形が主流となる。」(『マザーグースと絵本の世界』)
とあり、ハンプイェィを擬人化した卵として最初に描いたは、アリキス『絵によるハンプティ・ダンプティ』(1843年)のようだ。