田代光:挿絵「四千万歩の男」掲載の「週刊現代」が届く

田代光:挿絵、井上ひさし「四千万歩の男」が連載されている昭和53年発行の「週刊現代」が数冊届いた。「私は挿絵の中に文学と同じように人間を求めてきた──挿絵とは人生の縮図なり──というのが私の挿絵に対する全部である。」(田代光『画集 白と黒』東京書房、1966年)という田代の仕事は的確なデッサン力を生かし、登場人物の性格や細かな心理の変化までを陰影に描き込むもので、ある時期、スケッチブックを片手に街中をあるきまわり、人物の表情を観察するために山手線にのったまま、ぐるぐる廻ったこともあるという。
 田代の人物画はどれも表情が豊かで、描かれている人物の微妙な感情までもが見事に描かれている。



写真=田代光:画、井上ひさし「四十万歩の男」第96回(「週刊現代」昭和53年11月5日号)