これが13名の挿美会同人の顔写真だ。


挿美会会員(「さしゑ」創刊号、昭和30年、撮影:野瀬光一)
後ろ左から、
矢田貝寿広、土端一美、加藤敏郎、山田彬弘、濱野政雄
真ん中左から
成瀬一富、下高原健二、平野林作
前列左から、
伊勢田邦彦、上西憲康、岡本爽太、由谷敏明、森下和男

この13人の中で、私が知っている日本出版美術家連盟の会員は加藤敏郎、濱野政雄、成瀬一富、下高原健二、岡本爽太、(伊勢田邦彦)の5人だが、伊勢田邦彦と伊勢田邦貴とは、同一人物なのか別人なのか不明。


そこで、さっそくネットで調べてみたら、伊勢田邦彦については
「戦後、大衆小説の挿絵画家として一世を風靡したが、街頭紙芝居画家、絵物語画家として活躍していた時代がある。街頭紙芝居として人気の高かった「ドラゴンタイガー」や伊勢田絵物語の最高峰・集英社の「おもしろブック」、おもしろブック単行本シリーズとして発行された「秘密の山脈」がある。」
★紙芝居・伊勢田邦彦画『鐘の鳴る丘』昭和23年発行
★石坂 洋次郎『青い山脈』 (アイドル・ブックス、1982年) 伊勢田 邦彦:画
★A.A. ミルン、榛葉 英治『赤い館の秘密』 (世界科学・探偵小説全集〈20〉、昭和39年) 伊勢田 邦彦:画
★横溝 正史『青髪鬼』 (昭和29年) 伊勢田 邦彦 :画
等が見つかった。


伊勢田 邦貴(いせだ くにたか)については、
1921年(大正10年辛酉)生まれ。画家 洋画 、挿絵 美人画
南洋一郎文、伊勢田邦貴絵『奇巌城』(ポプラ社文庫、昭和51年)を見つけることができ、昭和40年頃に濱野正雄さんが「彰親」に改名したら仕事運がよくなったのを切っ掛けに、次々と名前を変える挿絵画家がいたらしい。ということで、二人は同一人物であることがわかった。さらに初期には「いくのひさし」も名乗っていた。