2011-09-03から1日間の記事一覧

残りの1冊は、伊勢田邦彦が挿絵を描いている週刊誌スタイル・名作リバイバル全集第9巻『あゝ玉杯に花うけて』だ。ネットの古書のデータに「名作リバイバル全集9」とあるので凾入り全集のような造本をイメージしていたが、届いたのは週刊誌のようなB5判、中とじの冊子だった。

伊勢田邦彦:画、佐藤紅緑『あゝ玉杯に花うけて』(普通社、昭和37年) 伊勢田邦彦:画、佐藤紅緑『あゝ玉杯に花うけて』(普通社、昭和37年)巻頭口絵 伊勢田邦彦:画、佐藤紅緑『あゝ玉杯に花うけて』(普通社、昭和37年)、印刷物からの複写 伊勢田邦彦:…

佐藤紅緑著『あゝ玉杯に花うけて』の挿絵といえば斉藤五百枝で知られている。手元にある4冊のうち3冊の挿絵は斉藤五百枝が描いている。斉藤は1914(大正3)年11月に創刊された『少年倶楽部』(大日本雄辯會講談社)の表紙絵を創刊号から描いた。同誌に掲載された小説の挿絵としては、大倉桃郎の『暁の歌』、山手樹一郎の『錦の旗風』等が知られる。

斉藤五百枝:画、『少年倶楽部』20巻1号(大日本雄辯會講談社)、昭和8年) 斉藤五百枝:画、佐藤紅緑『あゝ玉杯に花うけて』(大日本雄弁会講談社、昭和3年4月) 昭和13年刊の架蔵書の奥付には163版とある。当時、30万部だった『少年倶楽部』の発行部数を45…