ここ数日、詩画集の羅列が続いたが、これだけたくさん眺めてくれば、なにか話が出来そうですね。詩画集羅列の最後は画家であり詩人でもある夢二の詩画集。雑誌や新聞に掲載された挿絵の木版を集めて編集したという、竹久夢二『春の巻』(明治42年12月15日、洛陽堂)は、発売と同時に大ヒットとなり詩画集ブームの火付け役になった。架蔵の『春の巻』は明治43年3月10日刊、第四版なので、毎月1回増刷したことになる。


このヒットは続々とつづく夢二本を生むきっかけになっただけではなく、夢二を師と仰ぐ恩地孝四郎、田中恭吉達の『月映(つくはえ)』の公刊をも引き出すことになる。



竹久夢二『春の巻』(明治42年12月15日、洛陽堂)、左は夢二のサインをあしらった表紙、右はジャケット(カバー)



竹久夢二『春の巻』(明治42年12月15日、洛陽堂)



竹久夢二『花の巻』(明治43年5月20日、洛陽堂)、こちらもヒットして、初版は1000部。架蔵書は明治43年6月15日刊、累計4000部とある。わずか1ヵ月で4000部に達している。



竹久夢二『花の巻』(明治43年5月20日、洛陽堂)



竹久夢二『三味線草』(新潮社、大正9年



画・文、竹久夢二『童謡集 凧』(研究社、大正15年)



画・文、竹久夢二『童謡集 凧』(研究社、大正15年)



画・文、竹久夢二『童謡集 凧』(研究社、大正15年)