・高橋忠弥『高橋忠弥詩画集 巴里憂愁』(昭森社、1970年8月)、限定60冊開板、石版画4点付き、17詩篇、段ボール函入り。
ほぼ新聞一ページとほぼ同じ大きさで、ずっしりと重い大きな本だ。
背革、角革で作りも資材も豪華で、本文に使われている紙は越前特漉き局紙を用い、タイトル「巴里憂愁」が白透かしで入っている。本文紙は1枚1枚のシート状になっていて片面のみに印刷されている。フランス装風に作られた表紙がそれをくるんでいる。さらにその外側に、上製本の表紙が、やはりくるむように付けられていて、全部がばらばらになるように作られている。
写真は上から、
・タイトルが空押しされている表紙、
・扉、
・活版印刷の大きな文字で印刷された詩とオリジナル石版画の頁。
この高価な書物の入手経路は、実は購入したのではなく、かつて拙書『装丁探索』を出版したときに堀口稔さんからいただいたものである。
ここまでが、私が所有している、『本の装い』の高橋忠弥装丁本リストには掲載されていない高橋忠弥装丁本である。