これがあの頴川政由紀(江川書房の江川正之)に関わりのあるマッチか!

 
さっそくパラパラとめくっていたら、なんとあの白水社で頴川政由紀が編集をやっていたころに、「フランス語ものだけでは対象読者が少ないから売り上げが延びない。文芸書部門を開拓しようということで、江川正之(*頴川政由紀)という編集者に命令し七〇%の権限を与えてやらせた。江川は有頂天になって、やつぎばやに点数をかせいだが、やりすぎ、つくりすぎして返品がどっと来た。」(清水文吉『寺村吾一と白水社』(日本エディタースクール出版部、1990年)という、営業的には失敗だったようだが、装丁史上に残る見事な本であり、その時に配った広告用のマッチで、東郷青児が描いた挿絵が掲載されていた。