ヒペリカムは、鮮やかな黄色の花を咲かせ、多数のおしべが放射線状に広がっているのが特徴です。花が終わると実る赤や白、ピンク色の実が可愛らしく、花よりも実の方がよく知られているようです。西東京市市内でも公園やマンションの垣根などでもよく見みかける、なじみのある植物です。
ヒペリカムは、世界に広く約460種が分布するオトギリソウ科オトギリソウ属の植物です。オトギリソウ属の中で園芸植物として古くから栽培されているのは、中国原産のキンシバイやビヨウヤナギです。近年では昔から薬用として利用されてきたオトギリソウに加え、海外から導入された新しい品種が栽培されるようになり、これらを総して学名である「ヒペリカム」と呼んでいます。「ヒペリカム」という名の由来は、ギリシア語の「hypo(下)」と「erice(草むら)」から来ているそうです。
日本でなじみのある「弟切草」という名前には、少し怖い花言葉があります。それは、「秘密」「裏切り」などです。これは、平安時代に弟切草を、秘密の薬草として使っていた兄を裏切って、弟がその薬草の情報を人に教えてしまったという伝説に由来しています。兄の怒りを買った弟は手討ちにされてしまい、花びらにある斑点は、その血が飛び散った後だという説もあります。
「ヒペリカム」の花言葉は、美しい花の時期が終わっても、すぐに実を楽しめる期間が来ることから、「悲しみは長く続かない」。花が散って残念だと思っても、すぐに可愛らしい実が見られるのは嬉しいですね。もう一つ、「きらめき」という花言葉もあり、これは、まるで黄金に輝くような花の色が由来しています。