ワルナスビは梅雨頃から夏の間、空き地や道端で見られるザッソウ(帰化植物)です。北アメリカ原産の多年草で、日本では昭和初期に関東地方で確認され、その後暖かい地方へ広がりました。世界的に厄介者とされ、韓国では持ち込み禁止になっています。
「悪いナス」のレッテルをはられたワルナスビですが、ナス科特有の星型のかわいらしい花が可憐に咲き乱れるその姿を見ると、何とも気の毒に感じますが、その美しさとは裏腹に茎や葉には鋭い刺が多数あり、ワルナスビが生えるとそこの土にはナス科植物は育ちづらくなる連作障害を起こします。また、ニジュウヤホシテントウというナス科の植物を食べる害虫を呼び寄せたり、繁殖力が強く引っこ抜いても、根が生きていれば復活し、根がちぎれるとちぎれた分だけ株が増えて繁殖してしまい始末が悪いので”悪”と名づけられたようです。
野菜のナスと同じ仲間で、花後に黄色く丸い果実ができることもありますが、これはソラニンを含む毒草で食べられません。