安野光雅の絵本作りの原点を探る(1)……『ふしぎなえ』1-1.エッシャーの本との出会い

『ふしぎなえ』1-1.エッシャーの本との出会い

 安野光雅は、エッシャーの本との出会いの感動を「パリに行った。ゴッホの墓とエッシャーの本は、軍隊で上等兵にぶんなぐられて以来の顔の痛みを再発させた。そして絵本『ふしぎな絵」ができた。」(『みずをかぞえる」(福音館書店、1972年)と、と書いている。
 あるとき「見せたい本があるから、新宿の喫茶店で会いたい」という電話がかかってきた。…おもむろに一冊の本を取り出して……「こういう絵は絵本になりませんか。絵本になるならやってみたいですね」「何かイメージかアイディアがあるんですね」「あるんです」「エッシャーのようなもので絵本をかこうとされるのですね」「まあそうです」(松居直『絵本を見る眼」)
 松井直は、その時に安野が見せてくれた本を「誰かの画集らしい。表紙にはただ“M.C.ESCHER”とだけ印刷されている。…その画集は、1960年にオランダで出版され、1962年にドイツ語版が出ているものであった。」(『絵本を見る眼」)と書いている。

 

「表紙にはただ“M.C.ESCHER”とだけ印刷されている」本をネットで探してみると、思いの外たくさん出てきた。

 

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M.C. Escher 29 Masterworks

 

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『M. C. Escher (Portfolio)」Taschen America Llc(2004年)

 

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M.C.ESCHER:1898-1972:The Graphic Work_

 

 

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The Graphic Work of M.C. Escher (Macmillan(1972)

 

 

 

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『Der Zauberspiegel Des M.C.Escher』1986年/Taco独語版

 

 

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M.C. Escher The Graphic Work』2008年

 

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M.C.Escher The Graphic Work』

 

 

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M.C.ESCHER:The Graphic Work]』

 

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M.C.ESCHER HIS LIFE SND COMPLETE GRAPHIC WORK』NEWYORK:H.N.ABRAMS 1982

 

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M.C.ESCHER REVISED AND EXPANDED』

 

 

 

 

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「LE MONDE DE M.C.ESCHER]』(CHENE、1971) この本は1971年に発行されたフランス語版ですが、安野が見たのは、この本と同じのドイツ語版だったのではないかと推察します。

 

M.C.ESCHER』を手に取り開いた時に、今までに見たことのない世界が繰り広げられ、それまでの絵画の概念を打ち破られ、大きな衝撃を受けたのだろう。

 エッシャーの作品を一度掲載しましたが、著作権がまだきれていないので、削除させていただきました。日本語版もたくさん刊行されていますので、是非、図書館などでご覧になってください。

 

 

マウリッツ・コルネリス・エッシャー(Maurits Cornelis Escher [ˈmʌurɪt͡s kɔrˈneːlɪs ˈɛʃər], 1898年6月17日 - 1972年3月27日)はウッドカットリトグラフメゾティントなどの版画制作でよく知られたオランダ画家版画家)である。建築不可能な構造物や、無限を有限のなかに閉じ込めたもの、平面を次々と変化するパターンで埋め尽くしたもの、など非常に独創的な作品を作り上げた。

その作品のバリエーションは、トロンプ・ルイユ(だまし絵)のような錯視を利用したものから、数学的・工学的なアプローチを使ったものまで幅広い。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』