『ふしぎなえ』1-1.エッシャーの本との出会い
安野光雅は、エッシャーの本との出会いの感動を「パリに行った。ゴッホの墓とエッシャーの本は、軍隊で上等兵にぶんなぐられて以来の顔の痛みを再発させた。そして絵本『ふしぎな絵」ができた。」(『みずをかぞえる」(福音館書店、1972年)と、と書いている。
あるとき「見せたい本があるから、新宿の喫茶店で会いたい」という電話がかかってきた。…おもむろに一冊の本を取り出して……「こういう絵は絵本になりませんか。絵本になるならやってみたいですね」「何かイメージかアイディアがあるんですね」「あるんです」「エッシャーのようなもので絵本をかこうとされるのですね」「まあそうです」(松居直『絵本を見る眼」)
松井直は、その時に安野が見せてくれた本を「誰かの画集らしい。表紙にはただ“M.C.ESCHER”とだけ印刷されている。…その画集は、1960年にオランダで出版され、1962年にドイツ語版が出ているものであった。」(『絵本を見る眼」)と書いている。
「表紙にはただ“M.C.ESCHER”とだけ印刷されている」本をネットで探してみると、思いの外たくさん出てきた。
『M.C.ESCHER』を手に取り開いた時に、今までに見たことのない世界が繰り広げられ、それまでの絵画の概念を打ち破られ、大きな衝撃を受けたのだろう。
エッシャーの作品を一度掲載しましたが、著作権がまだきれていないので、削除させていただきました。日本語版もたくさん刊行されていますので、是非、図書館などでご覧になってください。
マウリッツ・コルネリス・エッシャー(Maurits Cornelis Escher [ˈmʌurɪt͡s kɔrˈneːlɪs ˈɛʃər], 1898年6月17日 - 1972年3月27日)はウッドカット、リトグラフ、メゾティントなどの版画制作でよく知られたオランダの画家(版画家)である。建築不可能な構造物や、無限を有限のなかに閉じ込めたもの、平面を次々と変化するパターンで埋め尽くしたもの、など非常に独創的な作品を作り上げた。
その作品のバリエーションは、トロンプ・ルイユ(だまし絵)のような錯視を利用したものから、数学的・工学的なアプローチを使ったものまで幅広い。
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