『ふしぎなえ』1-2.画集ではなく、文字のない絵本
松居直に「『絵本を描きませんか』と言われて『描いてみたい絵はあるけれど、文章がないから』と言いましたら、『文章はなくていいじゃありませんか』と言われたのです。思うに『文章はなくていい』というのは画期的な話ですし、この出会いも人生だなとしみじみ思います。そうして初めての絵本『ふしぎなえ』ができたのです。1968年のことでした。」(安野光雅『絵のある人生」)
「絵だけでいいの?」というと「いい」って。それじゃあといってはじめて作った絵本が『ふしぎなえ」です。「そのころ文字のない絵本、物語のない絵本なんて世界的に見てどこにもなかったと思うのね。」(『この本読んで」2010春号)
と言っているが、安野や松居が知っていたかどうかはわかりませんが、『ふしぎなえ」(1968年)よりも古い文字のない絵本がなかったわけではないようです。
これを文字のない絵本というかどうかは、とりあえず置いといて、