しん散歩(5)……新川の第三支流を探せ!

【しん散歩(5)……新川の第三支流を探せ!】
 練馬区では白子川と呼ばれるが、西東京市では新川と呼ぶ、今は暗渠となってしまっている川(地図株の青線)がある。新川には、谷戸小学校校庭が源流点と言われている新川北支流と、東大農場内の南東部あたりが源流点ではないかと思われる新川南支流との二本の支流があり、如意輪寺の南西のところで合流する。(地図の下の赤丸部分が合流点)。



 今回は、さらにA地点「せせらぎ公園」を源流点として、B地点、C地点を通り、横山道との交差点の駒止橋があったD地点で新川に合流する新川の第三支流があったのではないかという仮説を立て、それを立証するための調査……というほどでもないが、散歩がてら現地を訪ねてみた(地図、A地点のせせらぎ公園〜B地点まで)。


 問題は、B地点より下流ひばりヶ丘中学校があるところを通って駒止橋があったD地点に流れていたものと推察するのだが、中学校ができてしまい流れの痕跡は全く無くなってしまったことだ。中学校あたりから駒止橋や如意輪寺あたりは、標高が低く、地形を眺めてきた印象からは、第三支流はこの辺を流れて存在したのではないかという印象が強かった。B地点からまっすぐ南下して新川北支流と合流するルートも考えられないではないが、水路を掘るなどの人工的な手が加えられなければ地形的には難しそうです。



せせらぎ公園脇にある調整池。この辺に源流点があったのではないかと思っています。



自転車がやっと通れるくらいの路地になっている。草があまり生えていないところを見ると、案外この路地を利用している人がいるのかも知れません。



車の通る道に出ると、水路跡は一旦寸断されます。



寸断された地点から、20〜30mほど道路に沿って西の谷戸新道の方向に向かいます。門の脇の緑の茂みが、用水路跡の続きです。一見民家の庭に入っていくように見えますが、私有地ではないようです。でも門の家の家主さんが出てきて、ずっと睨んでいました。私有地でしたら、通報されそうな勢いでした。



茂みが深いので、背中から後ずさりするようにバックで藪の中に入り込みました。紫陽花の木が茂っていました。



だいぶ開けてきましたが、それでも結構草深いです。



やっと谷戸本通り(地図のAとBの中間地点)に出ました。水路は再度寸断されます。



ひばりヶ丘駅方面(北)に向かって20〜30mくらい移動したところに、続きがありました。



寸断地点の赤白の柵を振り返りながら、東に向かって進みます。コンクリートの蓋暗渠になっているので、気持ちのいい散歩道のようです。



狭いけれどまっすぐです。



くねくねと曲がって昔の小川のような面影?を感じます。



だいぶ出口に近くなってきました。左のオレンジ色の家は、谷戸住吉通り(ひばりヶ丘中学校の西側の道)からも見えます。



やっと出口(地図のB地点)にたどり着きました。ここで水路跡は消えてしまいます。これからが、今回のテーマでもある「新川第三支流を探せ!」の本題です。推理しながらなんとか新川に合流したいものです。



谷戸住吉通りに出た水路跡は、道路に沿って南下して、住吉第四公園あたりまで行きます。




住吉第四公園(写真右の緑と柵に囲まれている部分)のあたりからは手前の南に向かって、やや登り勾配になっているので、ここで一旦ストップして(写真左の溝)、公園の北側を東に向かうっているのではないかと思います。
 水路の痕跡は、住吉第四公園の西側で消えてしまいましたので、この先は資料などを頼りに推察するしかありません。ここからの選択肢は、谷戸住吉通りをまっすぐに南下し、ひばりヶ丘中学校の門の脇を通って新川北支流にたどり着いたのか、あるいは、住吉第四公園の西側の路地を東に向かい、昭和32年の地図に掲載されているひばりヶ丘中学校のグランドを縦断している道に沿って、横山通にあった駒止橋のあたりに流れ着いたのかの2つのルートが考えられます。




この地図はひばりヶ丘中学校ができる前の昭和32年に発行された地図です。小さな赤丸の中は横山道(フラワー通り)の駒止橋があったところで、新川北支流が流れています。ここから北に向かって細い道が記されていますが、現在も駒止め橋から北へ80mほど残されています。この道に沿ってが、ひばりヶ丘中学のグランドを縦断し、駒止橋に至る水路跡があったのではないかと推察しています。



標高が示されている地図を見つけたので、わかりやすいように標高の数字を赤丸で囲った。そして、2本のルートピンクの線E-Fと、黄緑の線E-Dとが、下の青い線・新川北支流にたどり着く可能性を確認するのがこの地図をアップした目的です。
 黄緑の線はE地点から東に進んだ角が56.1、校舎の北側が57.0で、だんだんと高くなっている。E地点の標高がわからないのが、水色の線が上に切れるところが56.1なのでそれよりも下流ということで、56.0位ではないか思います。つまり緑色のルートで水を流すとなれば、1mほどの深さの溝を掘る必要があるので、このルートの可能性は低い。



平成26年ハザードマップを見ても、ひばりヶ丘中学校のグランド辺りは、深水予想地に入っていない。ところが谷戸住吉通りには、住吉第四公園からひばりヶ丘中学校の門脇までの100mほど以外は赤線・浸水道路になっているが、この100mの区間が標高には現れない程度とはいえ、やや高くなっている。つまり浸水予定地に示されていない部分はやや標高が高いということです。このままではすんなりとは水路を通してはくれない。

次回、「しん散歩…続・新川の第三支流を探せ!」に続く