『ロバート・ブルーム画集 JAPAN』に興奮!

西東京市・柳沢図書館へ返本に行ったついでに、本棚の本を無作為に手に取り眺めているうちに、写真の『ロバート・ブルーム画集 JAPAN』(芸術新聞社、2015年)を手にして明治時代に描かれたと思われる表紙絵の精緻さに驚いた。まるで写真のように精密に描かれており、近代絵画でこんな絵があったのだろうか? と、初めて見る絵に身震いするほどの興奮を覚えた。

『ロバート・ブルーム画集 JAPAN』(芸術新聞社、2015年)


 パラパラとめくっていくうちに、ロバートブルーム「飴屋」(1893年メトロポリタン美術館所蔵)と、チャールズ・ワーグマン「飴売り」(1877年、東京国立博物館所蔵)とがよく似ている、という論考を見つけ、ますます興味を惹かれた。

ロバートブルーム「飴屋」(1893年メトロポリタン美術館所蔵)



チャールズ・ワーグマン「飴売り」(1877年、東京国立博物館所蔵)


 ワーグマンの「飴売り」は日本近代美術の祖の代表作、一方、ブルームの「飴屋」はアメリカにおけるジャポニスムの代表作例であるという。軍配をあげにくいと思うが、のれんや看板の文字の有無で、どちらが先に描かれたかは明白なはず。それなのにワーグマンの方が16年も前に描かれたことになっている。


 謎は他にもあった。このブルーム「飴屋」はどこで描かれたのか? 監修者・岡部昌幸の推理が面白い。