紙の本関係者にとっての大きな応援歌、福嶋聡『紙の本は滅びない』

佐野真一『だれが「本」を殺すのか』(プレジデント社、2001年)を読んだ頃からなのか、「本が売れない―。相次ぐ出版社の倒産と書店の閉店。活字離れと少子化。毎日200点もの新刊が並ぶのに、「本」を取り巻く状況は、グーテンベルク以来の未曽有の危機に陥っている。果たして「本」を殺したのは誰なのか。」と、みんなが口を揃えて紙の本の斜陽化あるいは終焉と、電子書籍、電子出版の隆盛を騒ぎ始めたのは。


 あの頃から大分年月が経過しているが、どっこい紙の本はしぶとく二枚腰をみせている一方、電子書籍は伸び悩んでいるようにもおもえる。紙の本の関係者としては、今後は、電子書籍と共存していくのか、シェア争いに明けくれて雌雄を決するのか気になるが、そんな紙の本関係者にとって大きな応援歌となる本に出会った。福嶋聡『紙の本は滅びない』(ポプラ新書、2014年)だ。