田代光は、挿絵画家になるために「書」を学んだという。その成果なのか「鬼が来た」の題字も田代が書いたようだ。筆で描く挿絵の線を研究するために勉強したので、題字はその副産物であろうが「鬼が来た」の題字(画像右「週刊文春」より)にもどこか棟方志功をイメージさせるものを感じ取ることが出来る。画像左(田代光画、長部日出雄「鬼が来た」、「週刊文春」昭和53年5月4日号)の棟方の顔もただ似ているというだけではなく、生き方は不器用だが、芯の強い骨太の人物像さえも描き出している。
それにしても、35年も前の週刊誌だが、「週刊文春」さんへおねがい、小さな挿絵をノド(本の真ん中の折り)にかけるのは止めて欲しい。挿絵画家に対して失礼だと思わないのでしょうか? 挿絵画家に対する蔑視で、出版社の傲慢ですよ!