グレープが歌う「ほおずき」は。ほろ苦く甘酸っぱいホオズキの味

赤い実をよく揉んで、ゆっくりと中身を引き出しくり抜き、皮だけにした小さな丸い風船のようなものを、口に含んでブイー、ブイーと鳴らして遊んだなつかしい鬼灯(ほおずき)。ほろ苦く甘酸っぱい中身は食べてしまった。この果実を鳴らして遊ぶ子どもたちの頬の様子から「頬突き」と呼ばれるともいわれている。


 グレープが歌う「ほおずき」(さだまさし作詩・作曲)に「♪ あの日きみにせがまれて でかけた小さなお祭り 綿菓子の味 アセチレンの光 きみは赤いほおずきを買った〜♪」というくだりがあるが「走馬灯に照らされて 僕はほおずきをかんで〜♪」とあるので、食用のホオズキの実をお祭りで購入したのだろうか。ほろ苦く甘酸っぱいホオズキの味を初恋にたとえて思いだす歌だ。

「ほおずき」が収録されている75年5月25日に発表されたグレープの2ndアルバム「せせらぎ」



松山文雄:装画、壷井栄『暦』(新潮社、昭和15年3月)
 松山文雄(明35.5.18〜昭57.3.3)長野県小県郡大門村(現長門町)生まれ。大正14年、第二回三科展に「赤・白・黒」が入選。大正15年に創立された日本漫画家連盟に加入、そこで知り合った柳瀬正夢の紹介で日本プロレタリア芸術連盟美術部員となり、日本プロレタリア美術運動に参加。昭和7年、コップの一斉検挙で治安維持法違反に問われ豊玉刑務所に服役、昭和十年に出所。終戦後は日本美術会、日本童画会に加わり、「赤旗」に風刺漫画を描くなど旺盛な活動を続けた。

・まつやまふみお:絵、斎藤 隆介『まけうさぢぎ』(新日本出版社、1971年)



・ 松山文雄:絵、今江 祥智『ふるやのもり』(ポプラ社 、1967年)



松山文雄:画、 松谷みよ子松谷みよ子民話珠玉選 かさじぞう』(童心社、1986年)

 など絵本多数。