2012-04-12から1日間の記事一覧

軍用犬などとして働く犬の話多い「イヌノオハナシ」(「キンダーブック」昭和14年)の中では、ちょっとほっとする絵。寺内萬次郎:画「やさしいおかあさん」。

寺内萬次郎:画「やさしいおかあさん」(「キンダーブック」昭和14年)

時代が時代なので軍用犬の活躍ぶりの紹介が多いが「イヌノオハナシ」(「キンダーブック」昭和14年)には、たくさんの犬が紹介されている。それだけではない、見開き(2P)ごとに挿絵画家が異なり11人の挿絵画家が携わっている。画像は満州事変で活躍した犬を讃える飯森貞吉:画「金剛と那智」。

飯森貞吉:画「金剛と那智」(「キンダーブック」昭和14年)

軍用犬の働きを紹介している「キンダーブック」(昭和14年)は判型が大きくA4のスキャナーでスキャンするには4回に分けて複写し画像データー作製しなければならないので、かなり面倒。それでも挿絵画家一人発見した嬉しさがこの面倒な作業に立ち向かう気力を奮い起こさせる。今回の挿絵画家は、畠野圭右(明治31(1898)年1月17日〜)。

畠野圭右:画、「キンダーブック」(昭和14年)

先日、「TERU」を解明できないサインとして紹介してから「てる」とつく名前がどうしても気になっている。昨日購入した「キンダーブック」(昭和14年)に柿原輝行をみつけもしかして、と色めき立った。サインは何種類も持っている画家が多いので同じサインではなくとも画風さえにていれば…。この時代に名前に「てる」とつく挿絵画家は他には見当たらないという状況証拠だけでの判断だが間違いないと思うのだが、うーん、まるで画風が違うか。

柿原輝行:画、「キンダーブック」(昭和14年) 「婦人画報」(昭和2年)に掲載されていた「TERU」のサインがある挿絵

古書市で、この挿絵画家は見たことも聞いたこともない、と思って雑誌を5〜6冊購入してきたが、いざ私製の挿絵画家名台帳と照合してみるとほとんどが登録済み。これだけ集まるとさすがの知恵袋も記憶量のリミットを越えてしまったようで古書市の会場で、記憶に頼っての照合は無理になってきた。そんな中やっとみつけ550人目に登録された挿絵画家は、昭和14年刊「キンダーブック」の表紙絵を描いた市川赳士。1匹も釣れないのを「ぼうず」というが、ぼうずにならなくてよかった〜!

市川赳士:画、昭和14年刊「キンダーブック」