2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アンディさんコメントをありがとう。

アンディさんから「オークションでリストに記載のない恩地装幀本を手に入れましたので報告いたします。「レコードの選み方と聴き方」服部龍太郎著 アルス 大正13年8月20日発行、入手のものは大正13年10月10日発行の6版です。函つきで、表紙は布…

受賞以後の得意技? 

題字は著者・長与善郎揮毫。背景の模様は、「木版畫的手法で楮紙の皺を採った」(前掲)もの。この本より以前に発行された小山いとこ『オイルシェール』(中央公論社、昭和16年11月)も上下に2分割した装丁だが、恐らくは、『その夜』で装丁賞を受賞してから…

二分割

昨夜は、帰り際にあわてて書いたので、「書物楽会」の方に恩地の話を書いてしまった。今日はそちらからの続きです。済みません。 恩地の装丁で、背景をタテに2分割する手法が多くわれている例を見てきたが、上下に2分割したデザインもある。 長与善郎『その…

斎藤のコンプレックス

『自分がいつもいふことは、装幀は必ずしも画家を煩わさんでも著者自身の希望を根本にして、その足らざる部分だけを理解ある画家、若しくはその方面の人に謀ることが最も適当であると思ってゐる。自分には無論絵心はないからでもあるが、この一、二年、以上…

円本の造本を批判 

それというのも斎藤はかねがね装丁について「円本の流行は読者層の開拓には曾てない貢献はあったが、ために造本術は反比例して粗雑に流れ且堕落したことも事実であった。一部に限定版とか特殊な装幀本の要求は実にその反動から来たものと見ねばならない。』…

書物展望社にしてはカラフルな

立原鐡臣装画、斎藤昌三装丁、西川滿『赤嵌記』(書物展望社、昭和17年12月初版)は、イラストを使って装丁することが少ない斎藤昌三装丁本には、珍しくカラフルな感じの本である。

これを恩地の装丁だと見分けられる?

写真上左が大佛次郎『宗方姉妹』(朝日新聞社、昭和25年)のジャケット(カバー)で、右が表紙である。このジャケットを古本市で見かけて、恩地孝四郎の装丁であると判断するのは難しいだろう。私は、平体のかかった創作文字が、ただものではないなと思って…