受賞以後の得意技? 

題字は著者・長与善郎揮毫。背景の模様は、「木版畫的手法で楮紙の皺を採った」(前掲)もの。この本より以前に発行された小山いとこ『オイルシェール』(中央公論社昭和16年11月)も上下に2分割した装丁だが、恐らくは、『その夜』で装丁賞を受賞してから、ひそかな得意技になったのではないだろうか。