昨夜は、帰り際にあわてて書いたので、「書物楽会」の方に恩地の話を書いてしまった。今日はそちらからの続きです。済みません。
恩地の装丁で、背景をタテに2分割する手法が多くわれている例を見てきたが、上下に2分割したデザインもある。
長与善郎『その夜』全3巻（朝日新聞社、昭和23年10月）がその本。写真は『その夜 第3巻』（昭和26年6月初版）。この本は23年装幀展受賞作である。3巻とも色を代えており、中でも写真掲載した第3巻は「紫色にエメラルド色の色の分は著者指定の色による、拙案がよく仕上がった例の一つである」（『本の美術』誠文堂新光社、昭和27年）と、著者との共作を自画自賛するほどに、恩地自身のお気に入り装丁だ。
